その水溜りのさらに向こう
一人の男が仰向けに倒れている


どうやらこの血を流した主はこの男のようだ


夥しいまでに流れる血液は
彼の体の何処から流れるものか解らない

そう

彼は何処をどう傷つけられたのか解らないほど
ボロボロのズタズタだった


近くまで近づき顔を覗き込む

年はまだ若く
私よりも少し年上だろう

でも

顔面は蒼白で血の気がない



脈を取ってみるが

今日私が殺した男性とは違い
彼はまだ生きていた


死にかけではあったが
確かに生きていた


彼の腕を取り肩に担ぐ



私は何をやっているのだろう?




彼を引きずりながら車まで向かう



私は何を考えている?





車のドアを開き彼を後部座席に寝かせる



私は何を感じているのだろう?





解らなかった

体が勝手に動いていた



解らなかった

ハンドルを握りアジトに戻る



解らなかった

私は今どんな顔をしている?




・・・・・・・・・

何故


泣きそうなの?


 

<4>
戻る 次へ

トップへ