(背景・雨雲)
建物の中から外に出ると
ポツポツと雨が降り出し始めていた

徐々に強くなる雨は

私から血と硝煙の臭いを洗い流す

傘も何も持っていない私は
冷たい雨の中を歩く


徐々に浸透して来る雨水は
衣服を濡らし体温を奪っていく


ピチャピチャと響く足音は

水溜りが出来るほど歩いた証拠で
それほど雨脚が強くなった証拠


閑散とした住宅街を抜け
ビル郡が立ち並ぶ道路まで来た

ここからあと少し行った所を曲がると

暗い路地裏に繋がっていて
そこの隅に車を止めてある

いざその路地裏に入り込もうとした時


不自然な色をした水溜りを見た
僅かながらにする臭い


常に私と共にあるこの臭いは

血の臭いだった

<3>
戻る 次へ

トップへ